2026/07/09 (木)
夏休みに一気に読解力を伸ばす学習法
■ 夏休みは英語力を飛躍させる絶好の機会
脇英語研究室塾長の脇文広です。
夏休みは、一年の中で最も英語力を大きく伸ばせる特別な時期です。なぜなら、普段は確保しにくい「長時間、英語だけに集中する学習」に取り組めるからです。
では、なぜ長時間英語に触れると読解力が伸びるのか、順を追って説明してゆきます。
そもそも英文読解とは、自分が持っている英語の知識を、頭の中で素早くつなぎ合わせる作業です。この作業については、短い勉強を細切れに行うよりも、長時間集中して英語に触れ続けた方が、脳の処理スピードが一気に高まることがわかっています。
■ なぜ「1日少しずつ」では効果が出にくいのか
毎日15分〜30分ほどの学習も、基礎固めには大切です。しかしながら、読解力を大幅に引き上げるためには不十分と言えます。
なぜなら、脳が日本語から「英語の処理モード」に切り替わるまでには、一定のウォーミングアップ時間が必要だからです。
短時間の学習では、脳が本格的に動き出した頃に勉強が終わってしまいます。さらに、学習を終えて日本語の生活に戻ると、英語モードのスイッチが切れてしまいます。
その結果、次回勉強するときには、またゼロからエンジンを掛け直さなければなりません。これでは、毎回「単語の意味や文法を思い出す作業」だけで勉強時間が終わってしまいます。つまり、脳の処理スピード自体を高める段階までたどり着けないのです。
■ 「英語漬け」で脳を英語処理モードに固定する
一方で、2時間、3時間と連続して英文を読み続けると、脳の中で変化が起こります。
最初は「単語の意味」や「文法ルール」を一つひとつ意識しながら読んでいる状態です。しかし、長時間続けるうちに、頭の中で一文一文を「意味のカタマリ」としてスムーズに理解できるようになります。
これは、スポーツや楽器の練習と非常によく似ています。最初はフォームや指使いを意識してぎこちなく動かしていたものが、練習を重ねることで、意識しなくても自然に体が動くようになります。それと同じメカニズムです。
このように、長時間英語だけに没頭する時間は、バラバラに蓄えた知識を「スムーズに使える実用的なスキル」へと定着させるために、非常に効果的なトレーニングとなります。
■ 夏休みに実践したい「英語漬け」学習法
夏休みは、週に1〜2回、3時間ほど英語だけに集中する日を作ってみてください。
以下に、学年別の学習モデルパターンをご紹介します。
【高校1・2年生】学校の宿題教材を活用する
新しい問題集を買う必要はありません。宿題を活用することで、「課題の提出」と「英語力のアップ」という一石二鳥の効果を狙えます。
- 一気に読む(60〜90分)― 細かい部分は気にせず、全体のストーリーや流れを意識して最後まで読み切ります。
- 徹底的に確認する(約60分)― 分からない単語や複雑な文構造を調べ、「なぜ理解できなかったのか」を明確にします。
- 音読を繰り返す(30〜60分)― 意味が分かった英文を何度も音読し、英語の語順のまま頭に入る感覚を身につけます。
【高校3年生】一度受けた「模試」の問題を活用する
模試を解き直すことは、「英語力のアップ」と「共通テストの形式への習熟」を同時に達成できる有効な方法です。
- 時間を計って解き直す― 以前より速く、正確に読めるかを確認します。
- 全文を深く分析する― 単語や文法だけでなく、「なぜそれが正解なのか」「なぜ間違えたのか」という設問の根拠まで確認します。
- 英語の語順のまま音読する― 日本語に訳さず、上から順にスラスラ意味が取れるようになるまで音読を繰り返します。
■ この夏、英語力を一段引き上げよう
毎日の地道な単語暗記や文法復習、音読は、英語力の確かな「土台」となります。
その土台の上に、夏休みならではの「長時間英語だけに没頭する時間」を加えることで、頭の中の知識が「実際に使える読解力」へと変わっていきます。
ぜひこの夏、「英語に漬かる日」を決めて取り組んでみてください。休み明けには、「長文が以前より楽に読めるようになった」と実感できるはずです。