2026/09/22 (火)
「不安」は行動不足の産物
脇英語研究室塾長の脇文広です。
受験が近づいてきました。
この時期になると、中学3年生、高校3年生から、こんな言葉を聞くことが増えてきます。
「このままで大丈夫でしょうか」
「合格できるか、不安でたりません」
特に模試で思うような結果が出なかったとき、不安は一気に大きくなります。
でも、私は「不安」というものは、必ずしも悪いものではないと思っています。
人間の脳には、危険や問題を感じると、それを知らせてくれる仕組みがあります。遠い昔、人間が厳しい自然の中で暮らしていたころから、不安は私たちに、
「何か問題がある。気をつけろ。行動した方がいい」
と知らせてくれる大切な役割を果たしてきました。
ですから私は、不安とは自分の中にともる「黄色信号」のようなものだと思っています。
問題は、不安になることではありません。
黄色信号がともっているのに、何もしないことです。
模試が悪かった。さて、どうする?
たとえば、模試で思うような点数が取れなかったとします。
「まずい。このままでは落ちるかもしれない」
「次も悪かったらどうしよう」
「志望校を変えた方がいいのかな」
考え始めると、次から次へと不安が出てきます。
でも、ちょっと考えてみましょう。
あなたはこの時点では、まだ何もしていません。
頭の中でどうしようと「考えて」いるだけです。
まず「行動」してみましょう。
最初にすることは、原因を探すことです。
「時間が足りなかった」
これだけでは不十分です。
なぜ、時間が足りなかったのか。
もう一段掘り下げます。
「よく考えたら、前の日に寝るのが遅くて、頭がぼんやりしていた」
「共通テストの英語では、いつも第7問で時間を使いすぎている」
「世界史は宗教史になると、いつも正答率が落ちる」
模試の答案をもう一度広げて、できるだけ細かく原因を探してみます。
すると、不思議なことが起こります。
まだ成績は1点も上がっていないのに、原因が一つ分かっただけで、不安が少し小さくなるのです。
なぜでしょう。
「何となくダメだった」が、
「ここがダメだった」
に変わったからです。
正体の分からないものが一番怖い。
でも、正体さえ分かれば、それに対して対策が取れます。
原因が分かったら、対策する
「睡眠不足だった」
それなら、試験前日は早く寝る。普段から勉強に取りかかる時間を少し早くして、夜更かしを減らす。
「共通テスト英語の第7問が苦手だった」
それなら、これまで受けた模試の第7問だけを集めて、何問も続けて解き直してみる。どこで時間がかかっているのかを調べ、自分なりの解き方を作る。
「世界史の宗教史が弱かった」
それなら、教科書や資料集に戻って、宗教史だけを整理し直す。
こうやって一つずつ行動に変えていきます。
すると、
「どうしよう。落ちるかもしれない」
という漠然とした不安が、
「明日は第7問を3題解き直そう」
という具体的な課題に変わります。
私は、この変化がとても大切だと思っています。
不安になったら「黄色信号がついた」と考える
もちろん、すべての不安が行動するだけで消えるわけではありません。
どれだけ勉強していても、受験が近づけば不安になります。
だから、「不安になってはいけない」と思う必要はありません。
不安になったら、
「ああ、自分の中で黄色信号がついたな」
と思えばいいのです。
黄色信号は、
「もうダメだ」
という意味ではありません。
「何か確認した方がいいぞ」
という合図です。
だから、
不安になる。
↓
原因を探す。
↓
対策を決める。
↓
実際にやる。
ここまでを一つのセットにしてみてください。
「大丈夫」と思える根拠を、自分で作る
受験直前になると、不安を打ち消すために、
「大丈夫。きっとうまくいく」
と自分に言い聞かせたくなることがあります。
もちろん、それも悪いことではありません。
でも、本番で自分を支えてくれるのは、根拠のない「大丈夫」ではありません。
一つ弱点を見つけた。
一つ対策した。
できなかった問題を、できるようにした。
それを何度も何度も積み重ねていく。
そうすると、最後に出てくる「大丈夫」は、
「これだけやったのだから大丈夫」
に変わります。
こちらの「大丈夫」は強い。
不安を感じたら、そこで立ち止まらない。
自分の中の黄色信号が、何を知らせようとしているのかを考えてみる。
そして、小さくてもいいから、一つ行動する。
受験まで、まだできることはあります。
だから「どうしよう」と思ったときには、その言葉を少しだけ変えてみてください。
「では、今から何をしようか。」