COLUMN

- 塾長のコラム -

2026/03/02 (月)

なぜ高校に入って英語が苦手になるのか(その1)

脇英語研究室塾長の脇文広です。

中学では英語が得意だった。
ところが高校に入った途端、思うように点が取れなくなった――。

このような相談は、決して珍しくありません。
もちろん、努力が足りないわけでも、能力が急に落ちたわけでもない。それでも結果が出なくなる。そこには、はっきりした理由があります。

私はその原因を大きく三つに分けて考えています。
今回はその一つ目、「文法学習法の誤り」についてお話しします。


1 文法書の使い方に潜む落とし穴

まず、多くの高校生が選ぶ学習法があります。
分厚い文法書を、最初から順に読み進めていく方法です。

文型、時制、助動詞、仮定法……。
目次どおりに整理し、項目ごとに暗記していく。

一見すると、堅実で王道の勉強法に見えます。
しかしながら、ここに大きな落とし穴があります。

なぜなら、入試本番で問われるのは、整理された知識そのものではないからです。

実際、長文読解や英作文の場面では、文法項目が「きれいに分かれて」現れることはありません。
問題を解きながら、

「これは倒置だ」
「これは接続詞の処理が難しいのだ」

と冷静に分析できるでしょうか。

多くの場合、実際に起きているのは
「どこがわからないのかわからない」という状態です。

つまり、項目別に理解しただけの文法は、複雑に絡み合う入試問題の前では機能しにくいのです。


2 なぜ知識が得点に変わらないのか

では、なぜ努力して覚えた文法が得点につながらないのでしょうか。

理由は単純です。
文法を「丸暗記科目」にしてしまっているからです。

たとえば世界史の年号のように、項目をバラバラに覚えてしまう。
しかし、大学入試、とりわけ国公立大学の二次試験では、配点の中心は

・英文読解
・英作文

に置かれています。

ここで試されているのは、文法知識の有無そのものではありません。
むしろ、英文の中でその知識を正確に働かせられるかどうかです。

言い換えれば、
「知っているか」ではなく、
「使えているか」が問われているのです。

したがって、知識として知っているだけでは不十分です。


3 文法を“使える形”にするために

では、どうすればよいのでしょうか。
方法そのものは難しくありません。ただし、姿勢を少し変える必要があります。

(1)読解の中で文法を確認する

まず重要なのは、長文読解を文法の実践の場と捉えることです。

日本語訳を読んで理解した気になるのではなく、

・主語はどれか
・動詞は何か
・修飾関係はどうなっているか

と、構造を丁寧に確かめていく。

そして、文法の理解で曖昧な点があれば、その場で止まる。

ここで、文法書の出番です。文法書を開いて調べ、理解し、覚えるのです。

文法書は、頭から順に読み進めるよりも、読解の中で生まれた疑問を解決するために使った方が、「問題意識」を伴って学ぶことになります。
その結果、理解も記憶もより深まるのです。

(2)例文ごと身につける

もっとも、定期テスト前など、文法書を順に読み直す必要が生じる場合もあるでしょう。
しかしその際も、説明文を読んで終わらせてはいけません。

本当に覚えるべきなのは「例文」です。

なぜなら、入試で問われるのは文法用語ではなく、英文そのものだからです。
正しい英文の形を、そのまま頭に入れておくことが重要です。

「英作文は英借文」と言われます。
つまり、ゼロから生み出すのではなく、既にある型を借りて使う。

例文を覚えることは、使える型を増やすことです。
その積み重ねが、読解の安定にも、英作文の精度向上にもつながります。


4 まとめ――文法は“丸暗記”するものではない

中学英語は、知識確認の比重が大きい学習でした。
しかし一方で、高校英語では運用力が求められます。

したがって、

・文の中で理解する
・例文ごと身につける

という流れが欠かせません。

もし高校に入って英語が伸び悩んでいるとしたら、それは才能の問題ではありません。
多くの場合、学習法の問題です。

方法を変えれば、結果は変わります。
まずは、文法の扱い方を改めること。そこから再出発できます。

次回は、二つ目の原因についてお話しします。

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